筑 前 煮




 博多の代表的な郷土料理です。博多では筑前煮とは言わず、「がめ煮」と呼ばれています。豊臣秀吉の朝鮮出兵の時、兵士が当時「どぶがめ」と呼ばれていたスッポンとありあわせの材料を煮込んだのが始まりと言う説と、博多言葉の「がめくりこんで」から、「いっさいがっさい合わせて煮る」という意味だという説があるようです。関東では「いり鶏」と呼ばれています。
 ところで、京都には、冬至の日には「ん」のつくものを7つ食べるという習慣があります。なんきん、ぎんなん、いんげん、きんかん、うどん、かんてんなどが挙げられていますが、筑前煮には、にんじん、れんこん、ごんぼ、こんにゃくなどを入れるので、「ん」がかせげます。根菜をたくさん食べることができるので、冬至に限らず、私のお気に入りの献立の1つです。